2008年07月28日

うたう、うたわない

こんにちは、ナレッジネットワークの尾本です。
今日は、アナウンスについてお話します。ナレーターやリポーターによって、表現の幅は様々ですが、主観的か客観的かの違いで、大きく表現が変わってきます。

通常は、視聴者を引き込み、考えさせ、感情を揺さぶりたいため、声のトーンやボリュームなどを感情の変化に合わせて、上げたり下げたりします。たとえば、「ありがとう」という言葉でも、感謝の気持ちを表現したくて、トーンを上げたり、語尾をのばしたりします。
一方、声のトーンやボリュームの変化を極力減らすことで、言葉の脚色を防ぐことがあります。気持ちが入っていない「ありがとう」では、トーンも低く、リズムの変化もありません。すーっと、音が消えていきます。こうすることで、それ以上でも、以下でもない事実としての情報を表現します。

この2つの方法を業界の言葉で、「うたう」、「うたわない」と呼ぶそうです。直接指示されたことは、ありませんがこのようなお話をお聞きしました。

「うたわない」ように、と指示された場合は、客観的な立場で、自分の意見を反映しないように、視聴者に伝えなければいけません。NHKの報道アナウンスでは、視聴者に誤解を与えないよう、事実だけが伝わるようにするのです。

一方、ある有名なキャスターを売り物にしている民放の報道では、思いっきり「うたう」ことで、視聴者に共感してもらい、その効果を視聴率につなげるという技術を使います。
気がつかないうちに、「うたう」キャスターに同調し、冷静な判断ができなくなっているかもしれません。思考が止まり、他人の考えが、自分の考えのように勘違いしてしまった時は、NHKと民放を見比べて、偏った思考をリセットすることができます。

嘘だぁ〜と思っているなら、ぜひ一度試してください。報道の内容だけでなく、話し手の「うたう」、「うたわない」を意識することで、NHKと民放、さらに、民放同士での表現の違いが見えてきますよ。
右か左かということも、見えてきます。

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Posted by KNブログ at 09:00│Comments(0)
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